FUZZはユーザー自身が作ったラジオステーションからなるコミュニティーを柱とした新しい音楽サービス。
従来のラジオとは一味違った素人による選曲ならではのマニアックさが特徴の一つともいえます。
通常のラジオのように“聴く”用途においては、音楽ジャンルやキーワードから良さそうなラジオステーションを選択して自由に視聴を楽しむことができます。
一方、ラジオステーションの開設に関しては『Create Station』ボタンをクリックして、適宜ラジオ局のタイトルや概要・イメージ画像を指定しローカルマシンからコンテンツとなる楽曲をアップロードすることで簡単に自分のラジオステーションを公開することが可能です。
さて、ここで音楽サービスに詳しい方はお気づきになると思いますが、実はこのサービス、いわゆる従来からあるプレイリスト共有サイトと実態的には何ら変わりありません。
しかし従来の“プレイリスト”をあえて“ラジオ”として提供するところがこのサービスのポイントで新しいところと言えるでしょう。
ユーザーはDJとなってみんなに自分のミックスを聴かすことができるというコンセプトで、従来リスニングあるいはディスカバリーミュージック的な受け手中心のサービスであったラジオから、発信することを楽しむソーシャルパワーによる新しいラジオを目的としています。
もう一つこのサービスの仕様面で興味深いところは、通常このようなユーザー個人の音楽ファイルをアップロードして公開する手のサービスは法的に微妙な問題を含むため最近ではあまり見られなくなっている中、こちらでは“ラジオである”ということを建前にこれらの問題を回避しようとしているところです。
どういう事かというと、このサービス内で共有される楽曲には一定のルールが課せられていて、リスナーは楽曲を決め打ちして選曲することはできず、次に何がかかるかというプレイリストも公開されません。
また、楽曲をアップロードするユーザーは一つのラジオステーションに対し、最低10曲かつ異なるアーティストのものでなくてはならないというもので、つまりは視聴面においては通常のラジオの枠を超えない仕様に制限をすることで、“ラジオ”であることを全面にアピールして、ラジオ事業に認められている法的な免責を得ようとするものです。
(これは以前紹介した8tracksと似た手法)
ところでこちらは音楽版Twitterとして以前話題を集めたBlip.fmの創設者が立ち上げたサービスとのこと。
現在ベータ版で公開されているこちらが、今後Blip.fmの時のようにブレイクするサービスになるかが注目されるところです。
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