Googleリーダー終了の影響で活気づくRSSリーダー市場において次々と生まれるRSSリーダーがある中、こちらの『SilverReader』もそんな新手のRSSリーダーの一つ。
先月公開されたばかりのこちらは見た目こそ平凡ながら、俊敏な動作とメモリ消費量の低さには目を見張るものがあります。
フィードはOPMLでまとめてインポートできるのはここ最近のRSSリーダーには必須といえ、このSilverReaderのその例に漏れずインポートが可能ですが、そのスピードが速い。
今回はテストということで100件ぐらいのフィードを含むOPMLをインポートしてみましたが、わずか1秒ぐらいで完了しました。
ユーザーインターフェースとしてはごく標準的な造りで、左にフォルダ/フィードのパネル、そして上部に表示切り替えのボタンが配置されています。
フォルダ/フィードはそれぞれ右クリックによってメニューが現れ操作が可能です。
機能的にもごく標準的な仕様で、表示スタイル・記事のソート・既読/未読の表示、など一通りRSSリーダーとしての必須の機能は押さえてあるかと思います。
難を言えば今のところフォルダやフィードの並び替えがきかず、すべてアルファベット順に並ぶということでしょうか。
と、機能としては何処のでもあるようなRSSリーダーですが、特筆すべきは最初にも言及したようにその動作にあります。
まず、各フィードの読み込みが高速なのはもちろん、表示切り替えや「Mark all as read」などすべての操作において軽快に反応します。
特に記事の閲覧においてそれが顕著で、例えば拡張表示の状態で猛スピードでスクロールして行ったり、Jキーを連打していったりすると、通常のRSSリーダーでは先読み完了前にページ末尾まで到達しまいそこで次の読み込み待ちが発生するということがありますが、このSilverReaderは先読みのタイミングが非常に早く、少なくとも通常の使用で読み込み待ちが発生するということはまず無さそうです。
(もちろん画像や動画など外部から読み込まれるコンテンツは配信側サーバの状況に依存するため、そこからのロードが追いつかないということはありますが)
また、メモリ消費の方も最小限に抑えられていて、たとえ動画がたくさん貼り付けられたアイテムを次々とスクロールして行ってもスムースでほとんどベタつき感を感じません。
他のRSSリーダーだと同一フィードではキャッシュを貯め込む一方で、更新するか別のフィードに切り替えるか、あるいは最悪タブを閉じるかしないとキャッシュがクリアされないという現象がよく見られます。
簡単な例を挙げるとすると、アイテム内に張ってある動画を再生状態のまま次のアイテムと、どんどんスクロールダウンしていっても動画の再生音は鳴り止まないことからもキャッシュがそのままま保持されていることが分かります。
これに対し、SilverReaderは2つ先のアイテムを過ぎた辺りで動画の再生音がピタリと止まりキャッシュが破棄されたことが覗えます。
そこで今回試しに、RSSリーダーのなかでは比較的高速軽量と思われる3つののRSSリーダー(InoReader/Digg Reader/AOL Reader)を対象に、記事内にYouTube動画や大判画像ばかりが貼り付けられた80アイテムあまりのフィードを読み込ませてひたすらスクロールして負荷を比較してみました。
ブラウザはFirefox21でテスト開始時の総メモリ消費はそれぞれ300MBを条件とし試してみた結果、スタートから50件に満たないところで3つのRSSリーダー共にメモリ消費が2GBに達したのに比べ、SilverReaderは最後まで表示させても500MBを超えることはなく一定のメモリ消費に留まっているように見えました。
(あくまで個人の環境上での数値に基ずく感想です)
このことからも既読のキャッシュを余計に貯め込まないメモリに優しい仕様な一方、先読みのタイミングは早いので次の動作が非常にスムースというのがこのRSSリーダーの真骨頂といえます。
その他、試用の限りでは更新頻度も比較的速い印象で、各種フィードや埋め込みコンテンツの対応度の高さも売りの一つかもしれません。
ただ、機能面でそれほど多機能なわけでもなくデザインもパッとしない印象で、フォルダやフィードの並び替えができないということもあり、エントリーユーザーを引きつける魅力には欠けるとは思いますが、その反面、速さや軽さを第一に考える玄人指向のユーザーにとってはかなり魅力的なRSSリーダーに違いないと思います。