『Maki-san』はシンガポールにある巻き寿司をメインにしたファストフード店。
およそ日本人では想像もできないようなポップな雰囲気の店舗展開と、キュートでクリエイティブなWebサイトは必見です。
まず注目なのがMaki-sanのWebサイトで、こちらではお楽しみコーナーとしてインタラクティブにメッセージビデオが作成できるコーナーを設けています。
背景パターンやサウンドのシーケンスを組んでメッセージの入力すると楽しいショートクリップの出来上がり。
FacebookやTwitterなどでシェアすると面白いと思います。
また、他のページも至る所にユーモア満載で、隅々まで楽しい造りになっているのでいろいろ覗いてみると面白いですよ。
解剖図のようなレシピの紹介やパックマン風の店舗案内図など、そのデザインセンスとクリエイティビティには驚かされるものがあります。
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一方、実際の店舗の方もとてもお洒落でポップな雰囲気でとても寿司屋とは思えないといった感じです。(Facebookページ)
さて、こちらのMaki-sanは昨年の夏にシンガポールの多くのレストランが集まる複合施設の一角に開店したお店とのこと。
今のところ一店舗にすぎない小さなお店ながら、新進気鋭のクリエイティブ・ディレクターやアート・ディレクタータチによってプロデュースされたショップとしてのトータルデザインは非常に斬新で、およそ地元の人相手のショップとして意味のないであろう日本語の文字をたぶんデザインとして大きく扱っている辺りなどは実にニクイ演出で、こういったある種の日本ブームにおけるポップカルチャーのようなものまで取り入れてしまうという発想は、寿司に対して既成概念のある日本人にとっては中々真似のできないことだと思います。
これまでも世界のスシブームを背景にしたちょっとヘンテコなスシカルチャーを取り上げたことがあり(※1、※2)、中々理解に苦しむものも少なくありませんでしたが、味的なことはともかくとして、こういったデザインやイメージ戦略などに関しては逆輸入カルチャーから学ぶべき所も多いのではないかと思います。
特に日本は商品の品質は非常に高いのにそれを“良さそう”の見せるデザイン力に欠けている国なので、そういう面では既成概念に捕らわれず外国から自由な感性を柔軟に受け入れることも大事なのではないかと思います。
事実、Maki-sanのWebサイトを覗いてみて「近くにあったらちょっと行ってみたいなぁ」と感じた方は私だけではないのでは。
そしてもう一つ感心してしまったのが“マキさん夢のフランチャイズ計画”と題されたメッセージの中の「巻き寿司に単なる巻き寿司以上の可能性を感じたなら...」という一文。
確かにあらためて考えれば、巻き寿司には完全なるファストフードとして特性を備えており、ハンバーガーやピザのような世界定番のファストフードに成り得る潜在力を持っていると思うのです。
米を主食とする国は日本・中国・韓国・東南アジアやインドなど限られますが、世界の人口で見ればかなりの割合を占めるはず。
このような国々を中心に展開していけば、ひょっとしたらマクドナルド並の規模のチェーン店に拡大する可能性すらあるのではないかと、大げさながらに思うのでした。
最後に、WebサイトのBGMは常習性があり耳から離れなくなる恐れがあるのでご注意を(笑)