以前、WINAMPで再生中の曲のアルバムジャケットを表示するRainmeterスキンのA1を作った際、画像の取得先にあるいは曲情報の検索のリンク先にと、大いにこのサービスを活用しましたが、今回はその機能についていくつか紹介したいと思います。
このサービスはGoogle Imageのような独立した一つのサービスではなく、一般のWeb検索のオプションとして機能するサービスです。
独立したサービスではないので検索入力用の特別なトップページはありません。
使用するには以下のURLにキーワードを加えてリクエストします。
例えば、アーティスト名を「Billy Joel」として、例に挙げてみましょう。
http://www.google.com/musicsearch?q="Billy Joel"
一般の例に漏れず、検索対象に空白文字がある場合は引用符で囲んだ方がより確かな結果になります。
ちなみに上に記したURLで引用符や空白はブラウザで使用する分には勝手にエンコードされます。
上の例ではアーティスト名を軸として全般的な検索結果ページに導かれます。通常はこのページから、さらにアーティスト情報やアルバム情報の詳細ページのリンクをたどっていく使い方が普通でしょう。しかしこのサービスを利用して何らかのプログラムを作りたい場合、できれば直接に目的の詳細ページに行けた方が使い勝手がいいのは言うまでもありませんが、特定のクエリ文字列を追加することでそれが可能です。
http://www.google.com/musicsearch?q="Billy Joel"&res=artist
http://www.google.com/musicsearch?q="Billy Joel"&res=album
http://www.google.com/musicsearch?q="Billy Joel"&res=song
これらのリクエストで上から、アーティスト名「Billy Joel」のアーティスト情報、アルバム情報、シングル?情報の検索結果ページが得られます。
また、このほかにも、この音楽検索の領域ではありませんが、「アーティスト名 - 曲名 lyrics」というように「lyrics」と付け加えることでその曲の歌詞が掲載されたページのリンクを得ることができます。
http://www.google.com/search?q="Billy Joel" - "The Stranger" lyrics
ついでですが、歌詞検索について言えば、A1制作時にリンクページではなく直接、歌詞ページにジャンプするようにいろいろと試行錯誤しましたが、結局すべてをカバーできるだけの歌詞サイトがない以上、あらかじめサイトの特定できないため、上のように一旦検索ページを中継させるのが賢明と感じました。
さらについでですが、ジャケット画像取得の際の裏技として、前に取り上げたAmazonでの例ほどではありませんが、Googleの場合にも僅かに存在します。この音楽検索で使われるジャケット画像はFroogleというGoogle系列の商品検索サイトから引っ張ってきていますが、例えば検索結果ページの画像URLが以下の場合、「size=2」を「size=1」にすることでラージサイズの画像を得ることができます。
http://froogle.google.com/base_image
?size=2&q=music/image/0/0F4jnQdaZD8C.jpg
実際にそれぞれのURLにジャンプしてもらえば分かりますが、アルバムの情報に関しては制作年、収録曲、レビュー記事がある場合そのリンクなどが、また、曲の情報に関しては作者、演奏時間、歌詞のリンク、他のバージョンがある場合そのリンクなどが実に整然と列挙されたページになっています。
こういった検索にはAmasonもよく利用されますが、Amasonが取り扱う情報はあくまで商品に関する情報であって、商売に結びつかない情報は少ないと見え、たとえばアルバム名で検索すれば収録曲が分かりますが、逆にシングルカットされていない曲名などで検索しても収録アルバムにたどり着けることは稀です。
Amasonに限らず、レコード会社や販売店の検索サービスはそもそも商品を販売するための「検索サービス」であり、様々な販売促進のためのページ造りになっているわけで、「検索するための検索サイト」であるGoogleの上のような音楽検索と比較するのは無理があるかもしれません。しかし、Amazonやallmusicのように目的の情報以上に所狭しと余計な情報でページが埋め尽くされているようなのとつい比べてしまうと、Googleの理路整然としたページ内容に感心してしまいます。
さて、とても便利なこの音楽検索というサービスですが、残念ですがその検索対象はアメリカを中心として販売、活動しているもののみです。日本語ではそれ以前に文字化けして検索すらしてくれません。
また、
全米デビュー済みの「utada hikaru」で検索してもあくまでアメリカレベルでの検索結果しか得られません。
http://www.google.com/musicsearch?q="utada hikaru"
今後、このサービス自体が日本向けに提供されればいいのですが、現状ではなかなかコレに匹敵するサービスは見当たりません。レコード会社などは膨大なデータベースを所有しているわけですが、上でも言及したように商売っけ抜きでそのようなサービスをはじめるわけはないし、個人レベル独自の音楽検索サイト作るのはまず難しいでしょう。
A1はGoogleの音楽検索を中心とした洋楽向けテンプレート以外に、
邦楽向けにはオリコンを採用していますが、レコード会社や量販店以外で大量のデータベースを持っているという点で検索を目的にするには向いているのではないかと思ったからです。しかし、やはりGoogleのそれと比べてしまうと最適とは言いがたいですが、それぐらいしかないのが現状じゃないでしょうか。
今、注目しているのがLast.FM代表されるソーシャルな音楽サービスです。今まで書いてきた「音楽検索」という側面でみても、草の根レベルで個人の持ちよった僅かな音楽情報が蓄積され膨大な音楽情報のデータが構築されていっており、日々増大していきます。
AmazonやGoogleとはまた一味違った情報の取り上げ方をしている点で、このようなサイトのデータを利用しても面白いものができそうな予感がします。