ストックフォトは主にプロの写真家によって撮影された写真で、素人のそれとはやはり質が違うため有料のものがほとんどでそれだけの価値のある写真です。
その性質上、商用利用の業務色が強く比較的一般ユーザーには馴染みが薄いということがあるものの、一般ユーザーが自分のブログや創作活動にも上質な写真素材を利用したいという需要は少なくないと思います。
GoogleやMicrosoftでは自社サービスの付加価値を高める一環として、このようなストックフォトの無料提供を行なっており、一般ユーザーにとっては非常にお得な情報なので紹介してみたいと思います。
まずはGoogleからですが、こちらはGoogleドライブに統合されているGoogle Docsから利用できるようになっています。
Google Docsでドキュメントを作成し画像挿入からストック画像の検索を選んで適当なキーワードを指定して画像を検索します。
検索結果から画像を選んで「選択」をクリックすればドキュメント内に画像が挿入され、自動的にドキュメントの同じくGoogleドライブに保存されるようになっています。
Googleの場合はドキュメント制作の過程で素材集めをしやすくするという観点から提供されたサービスなので、このようにGoogle Docsの一機能として実装されていますが、画像自体は別にドキュメントの素材としてでしか利用できないという訳ではなく、ウェブページとしてダウンロードしてZIPに含まれる画像だけをいただいてもいい訳です。
さて、これらの画像はストックフォト業界最大手Getty(iStockphoto)からのもので、Googleがユーザーに代わってライセンス料を支払い済みなのでユーザーは一切ライセンス料を払う必要なく自由に利用することができるのです。
また、ご覧のように画像にはクレジットなども含まれてなく、利用者側がクレジットを明記する必要もありません。
細かい規約はGoogle側からの情報が提示されていないため曖昧なところがありますが、実質的に見て使用制限はないものと同等と思えます。 → (追記)
次にMicrosoftですが、画像そのものを利用するという意味ではGoogleのときよりももっと楽で、『Office.com』からダウンロードすることができます。
Google同様ライセンス料の支払い義務はなくクレジットの必要もありません。
規約によればこれらの画像は販売目的以外であればいかなる使用制限もないとのことです。
さて、ストックフォトが一般的にどのくらいの値段で流通しているのか知っている方なら、これがいかにお得な話かということが分かると思います。
Microsoftに関してはGoogleのようにサービスにログインすらせずにダウンロード可能で、もはやMicrosoftユーザーだけの特典でなくなってしまっているところなどは、あまりに自由過ぎはしないかと思ってしまうぐらいです。
また、Googleに画像を提供しているGettyでは契約している多くの写真家から写真1枚あたりに支払われる報酬額が少なすぎるとの不満の声が寄せられており、ちょっとした騒動にもなっています。
こちらの記事によれば写真家に渡る1枚あたりの報酬は$12ということ。
クレジットも付かず何度使われてもどんな使われ方をしても一律$12という、通常の相場から考えるとあまりに安すぎる値段に怒り心頭でGettyとの契約をやめる写真家も出だす始末とか。
ただ、写真家の方々にとっては気の毒な話ですが裏を返せば我々一般ユーザーにとってはそれだけ美味しい話なわけです。
それなのにあまりこのことに言及している記事などを見かけることはありません。
そもそもGoogleやMicrosoftはこのような画像のことを大々的にアピールしていないようですが、穿った考え方をするなら、やはり提供する規模からして支払っているライセンス料が少し安すぎるという事実をあまり知られたくないという思惑があるのかもしれません。
いずれにしても、フリーの写真素材としてはクリエイティブコモンズよりも使いやすく、パブリックドメイン物よりも高品質な素材が意外に近いところで手に入ることを知っておいて損はないと思います。
その後、検索結果の上に次のような一文が追加され使用制限に関して一応明記するように変りました。
この通り、ストック画像の利用はあくまでGoogleドライブ内に限られるとのことです。
adfq