ウェブに溢れる広告の山にウンザリのユーザーにとっては、広告をブロックするブラウザ拡張は必須のアイテム。
『AdNauseam』は通常、広告を非表示にすることで対応する広告ブロッカーとは全く異なるアプローチで、ウェブ広告そのものを骨抜きにしてしまう興味深いプロジェクトです。
こちらは現在Firefoxのブラウザ拡張として公開されているもので、広告ブロッカーとして定番の拡張であるABP(AdBlock Plus)と共に動作します。
どのようなことをするかというと、ABPによってブロックされた広告すべてに対し自動的にクリック動作をシミュレートするというもの。
もちろんこれらはユーザーの意識しないバックグランド行なわれ、クリックによって広告サイトが開くことはありません。
何をクリックするかの傾向からユーザーの趣向を探りマーケティングに繋げるのが本来のウェブ広告の働きとというものですが、ユーザーが問答無用ですべてに「YES」を返してはもはやこの仕組みは成り立たないだろう、というのが狙いです。
従来の広告ブロッカーは広告を表示しないことで「無視をする」というアプローチでしたが、それとは対照的にユーザーの意志とは関係なく盲目的にクリックすることで、まさしくトラッキングデータ自体の価値をないものにしてしまうという発想が面白いところです。
現在公開されているバージョンはアルファ版で正式リリースは11/15とのこと。
実用云々は別として、ビジネス至上主義が加速する現代のウェブにおいて、一層鼻に付くようになってきたウェブ広告のシステムを根本から打ち砕かんとする試みには興味をそそられるものがあります。