先日タイで開催されたADFEST 2014(アジア太平洋広告祭)において、今年のテーマ「Co-Create the Future(未来を共に創ろう)」を基に脚本を募集し、選出された4人の新進気鋭のディレクターがごく短期間の間でショートフィルムを制作しそれをプレミア上映するというプログラムで、こちらはその中で評価が高かった日本人ディレクターTomoichiro Setsudaさんの『A Man』という作品。
恋愛、結婚、子供ができて老い亡くなるまでの人の一生を螺旋上にループする視点から見つめるような再帰的時間軸の構成がユニークで、アメ玉をそれらのアクセントとして用いているところも素晴らしいと思います。
最後に現れるおばあさんはきっと妻の姿、そして畑を耕しながら突然消えたおじいさんは他でもない自分の姿。
手を挙げるおじいさんの姿は「やぁ」ではなく「さようなら」を意味していたのかもしれません。
見ていたら知らないうちに涙が流れました。
私はもうすぐ60歳になります。人生を振り返る年頃なのでかな。方丈記の冒頭の一節を思い出しながら…
心に沁みる映像で、良いものを見せてもらいました。ありがとう。