Vye Musicはモダンでクリエイティブなインターフェースデザインが印象的なミュージックサイト。
好きなアーティストの好きなアルバムを自由に聴いたり、関連性のあるアーティストを見つけて新しいお気に入りの曲を発見できる音楽ファンにとっては嬉しいサイトです。
検索ボックスに適当にアーティスト名などを入力して検索すると、該当するアーティストが表示されます。
画像をクリックしてさらに進むと視聴可能なアルバムやトラックが列挙されるので、適宜再生ボタンをクリックすれば曲の再生が始まります。
アルバムモードではアルバムだけのトラックが、ミックスモードでは自動作成された関連アーティストのプレイリストが再生されます。
お目当てのアーティストを聞くだけではなく、ミックストラックの中から“これは!”と思った曲を開いてそのアーティストのアルバムを聴いたり、さらにそのミックスから再帰的に新しいアーティストを発見して行くところがこのサイトの真骨頂。
再生プレーヤーはページとは独立しているので、ページを移動しても曲の再生を続けたままブラウジングが可能です。
インターフェースデザインで特に面白いと思ったのが、再生トラックを示すサークル型のサムネイルで、再生し終わった曲が上に重ねられていき、キューに追加された曲が下に重ねられてどんどん移動していくというユニークなアイデアです。
そしてもう一つの特徴が、『Collection』からローカルPCのトラックをここのサイト内で視聴できるという機能。
ローカル内の音楽フォルダを選択するとその中に含まれている楽曲の情報がインポートされアルファベット順にインデックス化されます。
このようにネット上のフリーミュージックに自分の音楽ライブラリを統合してシームレスな視聴環境を作れるところも魅力です。
さて、サービスの中身としてはLast.fmのレコメンドシステムであるAudioscrobblerのAPIを使って各アーティストのプレイリストを構築し、トラックにはYouTubeのコンテンツを利用している典型的なマッシュアップサイトです。
『Collection』はどうやら音声ファイルそのものをアップロードしているわけではなく、アーティスト名とトラックの情報だけ渡しているようで、技術的な仕組みは解りませんがブラウザ経由でローカルの曲を鳴らして、検索可能なようにトラック情報だけウェブに送るといったイメージでしょうか。
なので、ストレージに自分の音楽ライブラリをアップロードするというものとはまったく異なり、ユーザーアカウントも設けていないため『Collection』のデータは一時的で恒久的に保存されるわけではありません。
このことからもローカルの曲を聴くための機能と言うよりも、その情報を送ってその関連アーティストを捜すというミュージックディスカバリー的なところを狙った機能と言えると思います。
こちらのサイトはそもそも3年前に当時16歳だった少年がロ-ンチしたサイトで、立ち上げ当初はネット上の音楽ファイルを検索して再生する、よくある音楽系野良サイトでしたが、その翌年にはスタイリッシュなデザインの垢抜けたサイトに変貌し話題になりました。
そして数日前に機能を絞り込みさらにソフィスティケートされたデザインに一新され再スタートしたもようです。
リニューアル直後ということでやや不安定な部分もありますが、好きなアーティストをアルバム単位で視聴でき、また、ミュージックディスカバリー的要素もあるこちらのサイトは、SpotifyやRdioといったフリーミュージックサイトが利用できない日本のユーザーにとっては貴重で魅力的なサイトだと思います。