Microsoft Translator - Language Labs
Googleのウェブサービスに比べると存在感の薄い印象のあるマイクロソフトのさまざまなサービスですが、クオリティー面だけで見ると非常によくできていてけっして引けを取るものではないサービスもあります。
『Language Labs』はマイクロソフトが提供する翻訳サービスの実験版という位置づけで公開されているいくつかのツールですが、なかなか優秀なので紹介したいと思います。
1つめはページ翻訳のブックマークレットで、以下のページでは変換言語を選択して「翻訳」リンクをツールバーなどにドラッグして利用できます。
Googleをはじめページ全体を翻訳するサービスはいくつかあって、同様のブックマークレットでそれらを同じように利用しているユーザーも多いと思いますが、それらと比較して言えることは、肝心の翻訳精度という点に関しては正直いって他に勝るとは言い難いものの、ページの崩れが少ないという点では明らかに優れています。
以下は米ウォールストリートジャーナルで他社のページ翻訳と比較してみた結果です。
・翻訳元ページ
ご覧のように、ページ上のマーケット情報などはスクリプトによって動的に生成されるテキストのためYahoo!やGoogleでは翻訳対象にできず、Googleに至ってはかなりレイアウトが崩れるのに比べマイクロソフトの方はそっくり日本語に置き換えた状態でほとんどページのレイアウトが崩れていないことが分かります。
もちろん翻訳サービスの命はその翻訳制度にあることは云うまでもありませんが、正直、英日翻訳に関して云えば何処も"ドングリの背比べ"のような状況にあることを考えれば、こういった別の面での優位性も選択のポイントと成りうるのではないでしょうか。
さて、もう一つマイクロソフトが公開しているツールで興味深いのが『Universal Text Input』というもの。
こちらもブックマークレットとして公開されていて、同様に変換言語を指定した上でツールバーなどにドラッグして利用できます。
これがどのようなツールかは論より証拠ということで、実際にお試しください。
まずは下のブックマークレットをクリックしてください。
(これは上記ページで公開されているものと同じです)
次にフォーカスを下に置かれたテキストボックスに移すとのようなマークが現れるので、日本語入力オフでローマ字で日本語をタイプしてみましょう。
まるでIMEのように日本語変換がポップアップされるはずです。
こちらはどうやらリアルタイム翻訳の技術を使ってIMEのような言語入力ツールに仕立て上げたものといえ、ローマ字入力だけで各国語の変換に対応できることを狙いにしたツールです。
つまり言語変換機能を持たない環境でもこれがあれば対応できるわけで、地味ですがけっこう中身はすごいものだったりします。
ただし、使い道が微妙でいったいどういったシチュエーションで活用されるのかがちょっと見えてきません。
言語変換機能を持たない環境など皆無だろうし、マルチリンガルの変換環境を求めるユーザーもあまりいないと思います。
Google日本語入力のように完全にIMEの代替えを狙っているいるならブックマークレットにするのは不自然でしょうし、おそらくはウェブ専用の簡易マルチ言語入力ツールという位置づけなんでしょうが、あえて標準入力機能を使わずこちらを使う意味みたいなものが欠けているような気がします。
性能的にみればかなりすごいものですが、ここら辺のビジョンがはっきりしないというところが、あくまでLabに置かれている一つの実験的プロジェクトに過ぎない理由かもしれません。
はじめまして。
便利なサービスの照会ありがとうございます。
後者のbookmarkletについては、海外に出て公共のPCを使ってみればどんなに便利かすぐ分かりますよ。昔から類似のサービスはありましたが、これも結構実用的と思いました。