YouTubeの実験的サービスとして「Music Discovery Project」というのが開始されました。
これは一言で言うとプレイリスト作成ツールで、アーティストを指定すると適当にプレイリストを作ってくれるというもの。
指定したアーティストだけではなく、類似のアーティストを自動で検索してプレイリストにミックスすることで、新たな音楽発見をしようという趣旨です。
最初に自動で作成される左側のプレイリストに任意で曲を削除したり、右側からそのアーティストあるいは類似アーティストの曲を追加しながら、自分だけのプレイリストを作成していきます。
作成後は自分のアカウントに保存でき、その後は既存のYouTubeプレイリストと同様に使用できます。
さて、気になるのは類似アーティストの選別という所でしょうが、試しに「宇多田ヒカル」と入力するとAyumi Hamasaki、Namie Amuro、Mika Nakashimaなどが類似アーティストとして挙がりますが、同様にMichael Jacksonなども挙げられます(謎)。
いったいどのようなロジックで類似アーティストの選別をしているのかは不明ですが、少なくとも現時点ではPandoraやLast.fmのように専門サイトのような精度は期待できないようです。
もっとも、これらのようなサイトの対抗サービスを狙っているわけではなさそうで、あくまでお手軽なプレイリスト作成ツールという意味合いだと思いますが。
またYouTubeの場合、重複する曲やオリジナル以外の素人の練習ビデオなどをいかにフィルタリングするかという問題があり、一応それに関してはまずまずのようですが完璧ではないことは確かで、そこら辺はユーザーが人力で省いていき、結局はそのデータが蓄積されて選別精度が次第に高くなっていくという仕組みではないかと思います。
それにしてもアーティストのミュージックビデオなどは基本的にはYouTubeのコンテンツとして相応しくないというのが、これまでの音楽産業側の認識だと思いますが、将来的には否が応でもYouTubeをビジネスの媒体として利用していかなくてはならない時代がくるのではないでしょうか。
いまやマンモスサービスとなったYouTubeがこのようなサービスを開始したことは、音楽産業にとってマイナスと考えるよりも、むしろ新たなビジネスチャンスをもたらすことになると考えた方がよほど建設的なのではないかと考えます。