今ではすっかり有名になった、お笑い芸人鉄拳のパラパラ漫画の新作が公開されています。
10分弱に及ぶ鉄拳特有のヒューマンドラマチックなパラパラ漫画は見応え十分の超大作です。
リンゴ農家の息子の成長と挫折を影ながら見守る親の愛を描いた全体的なストーリーは、悪く言えば「北の国から」路線の少々ベタな内容と言えますが、うなだれる自分の前に小さい頃の自分が現れそっとリンゴを手渡すシーンなど、印象的な演出の妙は彼ならではのものと思います。
そして彼のパラパラ漫画のもう一つの特徴は工夫を凝らしたフレームですが、今回は信濃毎日新聞とのコラボということで「印刷」というアプローチをフルに活用して、いつもにも増したクリエイティビティを発揮しています。
ご覧のようにいつものパラパラ漫画と違って画質がぼやけていると感じる人も多いと思いますが、それもそのはず、バックの新聞記事などは画像合成ではなく、下の動画で見ても分るように実際の新聞紙に1フレームづつ印刷しながらそれと同時にカメラ撮影しているというもので、パラパラ漫画の域を超えたテクノロジーとアートを融合した秀逸なプロジェクトとも言えるのではないでしょうか。