2012 . 07 . 29

Googleのプロダクトデザインのプロトタイプを見て想うこと


先日、Behance Networkでちょっと興味深い記事を発見しました。

これは2010年にGoogle Creative Labからの発注によって制作されたデザイン案で、昨年、大々的に行なわれたGoogleのプロダクトデザインの改変において、そのベースとなる原案とされたデザインがこれだということ。













制作したデザイナーは32 Roundというデザインスタジオを主宰するAndy Gugel氏とJesse Kaczmarek氏のご両人。

Andy GugelさんといえばAIRのデスクトップアプリ『Skimmer』をデザインされた方で、自分も以前このアプリを見たときはあまりのUIデザインのすばらしさに用もないのにインストールしてしまった(わざわざAIRインストールしてまで)覚えがあります。

昨年、Googleがデザイン変更した際には、“Googleにはこんな優れたデザイナーがいたのか”と驚きましたが、これが彼の仕事だということをはじめて知り、なるほどそれなら納得がいくことです。


徹底されたグリッドデザイン、たっぷりとしたホワイトスペース、彩度を抑えたマットなカラースキーム、と原案は完璧なバランスで非の打ち所がない見事なデザインです。

しかし実際、現在の現行デザインと比較してみると、その後おそらくユーザビリティーの面からGoogleサイドで手直しが行なわれたのでしょう、微妙に修正された分バランスが崩れて若干このプロトタイプよりまとまりを欠いている感が否めません。


こういうことはよくあることだと思いますが、例えば何年か前にスマホ用OSとしてリリースされたマイクロソフトの『WP7』のUIデザインが思いのほか好評で、“どうせならデスクトップOSもこれでいこう”的な安直な流れでWindows8のUIデザインもそれを流用することになりますが、もともとモバイル用を想定して設計されているということを無視し、さらにいろんな人間が横から入ってこねくり回した結果、当初の姿からは遠いヘンテコなものになってしまう、というMSにありがちなことがGoogleという企業にもやはり見られる気がします。

まぁ、MSに比べれば随分ましだと思いますがこの辺りのデザインに対する価値観はAppleなんかとは相当異なるところで、こんな記事でも判るようにやはりデータ至上主義の企業ということを強く感じさせるものです。


ただ、違った視点で考えれば、Googleのようなほとんど公共サービスといっていいぐらいの業界のスタンダードを目指すようなところはそもそもデザイン的なカッコよさを求めるべきではないのではないと言うこと。

上のようなデザインはスタイリッシュすぎて大衆性に欠ける分、すごく好きな人がいる反面でその逆もまた出てくることになるでしょう。

現に昨年のリデザイン直後は所々広めにとった余白のデザインが一般人からは理解されず、無駄な余白が多いというユーザーからの不評が多く見られたのも事実です。

そんなユーザーも含めもしもすべてのユーザーの声に耳を傾けるのであれば、おそらくはカッコよさとはかけ離れたデザインに必然的になっていくということで、皮肉な言い方をすればそれがGoogleのデザインの方向性なのではないかと思ったりします。