Toby Schachman氏が自身の研究の一環として開発している描画のための実験的なインターフェース。
『再帰的な描画』をコンセプトにしたこちらは、とりあえず実用性とか利便性とかはこの際置いておいて、考え方自体が非常に面白いので紹介してみます。
まずは下のビデオを見ていただくとおおよそ理解できると思いますが、基本として用意されているのは丸と四角の2つのオブジェクト。
この2つのオブジェクトを基にして再帰的に組み合わせながら描画していくというのが基本概念です。
丸と四角の2つのオブジェクトをドラッグするとキャンバスに描画され、オブジェクトの端にマウスをやるとリサイズ/回転ができます。
(Shiftを押しながらだとアスペクト比固定が解除され長方形/楕円として変形できる)
この時点で描画されたオブジェクトは3つめの新しいオブジェクトとして左に追加されます。
次に、空のオブジェクトを作って、そこに先ほど作った3つめオブジェクトをドラッグして配置していきます。
この4つ目のオブジェクトは3つ目のオブジェクトを基にして作ったオブジェクトなので、3つ目のオブジェクトに変更を加えると4つ目のオブジェクトにもそれが反映されるというのが一つの特徴です。
そして面白いのは、作成しているオブジェクトにそれ自身のオブジェクトをドラッグしてやると、そのコピーが再帰的に描画されていきます。
一つのオリジナルのオブジェクトとその他コピーオブジェクトで構成され、オリジナルを変形するとコピー全部に同じ割合でそれが反映し、一方、コピーを変形すると再帰的な割合で変形が適用されることになります。
この“再帰的に行なわれるオブジェクトの再描画”こそがこの手法の本質で、これを用いて絵を描くという発想は今までの描画ツールとは全く異次元の新しい描画手法だと思います。
ただ、今の段階では単なるアイデアのレベルで、実際、実装レベルではどういった提供のされ方をするのかは想像が付きませんが、興味深いアイデアであることは間違いありません。
と、ここまで説明しましたが、百聞は一見にしかず、実際にどのようなものかこちらのページで試すことができるので各自で試してみていただければと思います。